国際福祉開発学部
2025.03.19
本学の付属高校から国際福祉開発学部(現:国際学部)に入学し、7年間「ふくし」の学びを深めてきた杉本さん。高校時代から興味を持っていたことや成長したと感じる点などをお話いただきました。
原田学長 杉本さんは、いつから海外に興味を持たれたのですか。
杉本さん 幼少期から漠然と「CA(キャビンアテンダント)になりたい」という夢があり、海外との交流が盛んな本学の付属高校に入学しました。1年次は英語科の先生が担任で、時間のある時には英語の楽しさや海外の魅力を話してくださいました。そのことがきっかけとなり、2年次からグローバルコースに進級しました。グルーバルコースでは2ヶ月間だけですが、オーストラリアへの短期留学も経験できました。ホストファミリーの家に滞在しながら、現地の語学学校に通ったのですが、とても温かいご家庭で安心して過ごすことができました。当時は単語を並べる程度の会話しかできませんでしたが、ホームシックになることもなく、日本との違いを感じながらさまざまな経験を積むことができました。
原田学長 他にも付属高校で積んだ経験などを教えていただけますか。
杉本さん 全国大会での優勝実績もある和太鼓部に入部し、3年次には副部長を務めました。部員の仲間とお互いの意見を尊重し、をまとめることや部長の補佐など、人として成長できる機会だったと思います。残念なことに、最後の年はコロナ禍と重なってしまい、県大会で優勝したものの、全国大会が開催されなかったことが唯一の心残りです。
原田学長 国際福祉開発学部に進学した理由を教えていただけますか。
杉本さん 付属高校では、勉強面でも部活でも、とても充実した日々を送ることができました。高校の先生方から、「国際福祉開発学部はアクティブラーニング期間があり、自分の興味?関心がある分野の学びを深め、視野を広げることができる」とアドバイスをいただき、進学を決めました。ゼミでご指導いただいた佐藤慎一教授をはじめ、『なぜ?どうして』と考えるきっかけの種をたくさんいただき、自分なりに行動できた4年間だったと思います。
原田学長 大学に入学してからの海外のイメージや具体的に学んだことについて教えていただけますか。
杉本さん 入学前、私は「海外=欧米」とイメージしていました。しかし、入学すると同じ学部にはアジア圏の留学生が多く在籍しており、隣国であっても文化や考えることの違いに驚かされることばかりでした。異国で学ぶ彼らからは学ぶことが多く、視野を広げることができたと思います。
特に記憶に残っているのは、WYM(ワールドユースミーティング)です。この取り組みは国際福祉開発学部が中心となり、付属高校や国内外の大学が共同してプレゼンを行う国際イベントです。私は1年次から4年間参加し、国内外のメンバーとともに、「カンボジアの子どもの教育を改善するためにできること」をテーマにプレゼンテーションを行いました。
2年次の2月には、アクティブラーニング期間を利用し、初めてカンボジアを訪問しました。WYMのメンバーがいた現地の小学校の授業に参加したり、日本の四季を子どもたちに紹介するなど、さまざまな経験をすることができました。カンボジアは「経済的?衛生的に恵まれていない」というイメージがありますが、現地に行ってみると子どもたちの笑顔が眩しく、そのような印象はすぐに払拭されました。
一方で、カンボジアは子どもの数に比べて学校数が少ないため、教育の「質」に関する問題が見つかりました。この問題との出会いが、『世界中の子どもたちが質の高い教育を受けるための方策』を考えるきっかけになりました。
原田学長 大学のプログラムを起点に、自分の考え方が変わったり、成長したと実感したことがあれば教えてください。
杉本さん 主体性が身についたと思います。学部が毎年出店している『ワールドコラボフェスタ※』で学童保育をしている方とつながり、西尾とカンボジアの子どもたちを交流させる取り組みに参画することになりました。他にも、4年次には自分で『WellCam』という日本とカンボジアの子どもたちの交流サポート団体を立ち上げる経験もできました。
ワールド?コラボ?フェスタとは?:
中部地域最大級の「国際交流?国際協力?多文化共生?SDGs」の推進イベントです。参加団体による物品販売や世界各国の楽器演奏、環境?貧困などの地球課題について一緒に考えるワークショップなどを行っています
原田学長 カンボジアと日本の教育面での違いにおいて、どのようなことを感じましたか。
杉本さん 日本の子どもは「学校に行けるのが当たり前」という認識でいますが、カンボジアでは学びたくても学べない環境にいる子どもも少なくありません。そのため、日本の社会問題となっている不登校がないようです。学ぶことができる環境を貴重だと思っているからこそ、子どもたちは前のめりに質問してくれますし、関わっていてとても楽しいと感じます。まだ定まってはいませんが、今後は海外の大学院で『国際教育』や『教育工学』に関する研究をしたいと思っています。
原田学長 これまでの学びや経験以外にも、『国際教育』や『教育工学』を研究したいと思うようになったきっかけがあれば教えてください。
杉本さん 佐藤慎一教授(国際学部長)にお声がけいただき、ICoME(国際メディア教育会議)※に参加したことで、学びたいという意欲がさらに高まりました。
カンボジアで子どもと学んだ思い出や、誰もが質の高い教育を受けるための仕組みづくりが必要だと感じたので、2025年の春からは研究生として学びを深めていきたいと考えています。
ICoME(国際メディア教育会議)とは?:
研究者、教員、大学院生に研究成果の共有、共同作業、ネットワーク構築の場を提供する多国籍年次会議です。英語で行われるこの会議は、多様な文化を持つ参加者間のコミュニケーションとつながりを促進し、異文化コミュニケーション スキルを適用および強化する機会を提供します。
原田学長 最後に、云顶娱乐棋牌_云顶娱乐网址¥app下载官网への入学を検討している高校生にエールをお願いします。
杉本さん 云顶娱乐棋牌_云顶娱乐网址¥app下载官网の良さは、何といっても先生方が我が事のように学生の悩みに寄り添ってくれることです。大学では、成長の機会を与えてくださった先生方や視野を広げてくれた学部の仲間たちのおかけで、やりたいと思えることに出会うことができました。「何がしたいのかわからない」という方でも、きっとやりたいことが見つかると思いますよ。
原田学長 ありがとうございました。杉本さんのお話は、本学が提げる『ふつうのくらしのしあわせ』を支える研究に繋がると感じました。『学びたい人が質の高い教育を受けられる仕組み』を究め、また対談できる日を楽しみにしています。